所在地︰佐賀県多久市北多久町大字小侍600-3
作家名︰BAKIBAKI(大阪)
WEB︰http://www.yamaokohei.com/
都通りに細い路地への入り口がある。奥へ進むと赤提灯の連なる長いブロッグ塀が現れる。和醸良酒とりごえの隠れ家的スペース「うらごえ」だ。オリジナルの創作和食と美味い酒が存分に楽しめるとりごえのバックストリートには、日本を代表する大阪のライブぺインター「BAKIBAKI」氏にペイントを依頼した。BAKIBAKI氏独自の紋様、通称「BAKI柄」がよく似合うと思ったのだ。大中小のBAKI柄に鮮やかな赤が映える幅8メートルの壁画は夜の裏通りを明るく照らし、にぎやかな祭りの雰囲気を醸す。市民の毎週末の盛り場とりごえにマッチしたアートだといえるだろう。オーナーのとりごえさんとBAKIBAKIさんもすごく仲良くなってくれて良かった、本当に良かった。
「BAKIBAKI模様は絵画ではありません、ただのサインです」これは作家自身の言葉ではないのだけれど、そう捉える方が本質に近づける気がする。自己表現の最も単純な形としてサインがある。契約書の署名から、色紙に書くサイン、あるいは建物の壁などにするタギングまで。前の2つと違って、3つ目は意図的なログ付けだ。それは動物のマーキングと同じなのかもしれないけれど、後から振り返った時にまた別の意味を持って来る。――人類史の足跡ともなり、あるいは未来の人間は何かのメッセージと受け取るかもしれない。BAKIBAKIというログは、時を超えて何に化けるのだろう。全国各地を飛び回る作家とともに、至るところに残される。終わらない金太郎飴のようなシークエンス。(テキスト:長谷川かわ子)